エアータバコでタバコをやめた話

もう随分前のことですが、たばこのマイルドセブンが250円から270円に値上がりする前にタバコをやめました。

タバコを覚えたのは会社の寮に入ってからでした。寮は一人一部屋で4.5畳の広さでした。夜になると同僚の部屋にいつも5人ぐらい集まり、そこで自然とタバコを覚えました。最初は気分が悪くなり嘔吐したりしましたがすぐに慣れました。

あの頃は、まだ若くタバコを吸うと手の指、足の先まで体全体重くなる感じが心地良かったりもしました。それから27年間も毎日タバコひと箱吸っていました。

朝起きてまずすることは、タバコを吸うこと、もう完全にタバコ中毒でした。何か一区切りついたらタバコを一服、つかなくても一服していましたが、40代後半にもなってくると、さすがに体がきつくなってきました。1本吸ったら体が鉛みたいに重く感じるのです。心地よいどころではありません。さすがにもうタバコはやめたいと思って禁煙するのですが、2~3日で限界でした。それに吸わないとイライラする、タバコに支配されている自分が許せなかったのです。

ある時やめたいはいつまでたってもやめたいままなので、やめるとはっきり決意しました。

さてどうやってやめようかと考えたときに、エアーでタバコを吸うのはどうかなと思いました。人差し指と中指を口に持って行き吸う真似をし想像力で煙をイメージしそれが体中をめぐり全身が重くなると思い込ませるのです。すると本当に吸ったような感じになったのでした。家では気兼ねなく吸う真似ができますが、外ではさすがに「この人何してるの?」みたいに思われるのは嫌だったので、トイレに入って吸う真似をしていました。

 

仕事の帰りにいつもマクドナルドに入りアイスコーヒーを注文してタバコを吸うのが今で言うルーティンだったのですが、タバコを吸わないので口がさみしく、アイスコーヒーを飲んだ後の氷を食べていたら、それにはまってエアータバコした後は氷を食べる事が一年間続きました。

ちなみに二回り年の離れた夫は50年間タバコを吸っていました。最後の方は1日30本近くも、この人は絶対にやめられないだろうと思っていたら、なんと私に対抗心を燃やしたのか、きっぱりとやめることができました。そのかわり口が寂しいと飴玉を毎日一袋も食べていました。それも1年間近くも、肺がんは避けられても、糖尿病になるのではと思っていましたが、砂糖を大量に摂取すると糖尿病になるという恐れを持たず、罪悪感も感じずただ好きで食べていたから大丈夫でした。

今は本当にタバコをやめてよかったなと思います。